2020年現在、新型コロナウィルス感染症により、世界の様相はがらりとかわりました。今年になって新たなファッションが多く生まれました。世界中の人々がこれほどまでに多種多様なマスクを装着している時代も今までの人類の歴史で初めてなのではないでしょうか? ファッションは人類の歴史とは切っても切れない関係であり、ファッションはフィジカルな面でもメンタルな面でも人をプロテクトしていくものであり、常に人と共に歩むものなのだと再認識させられました。
僕が子供だった頃、勉強が苦手で、内向的な性格でコンプレックスの塊だったのですが、自分をプロテクトするための装置としてファッションに興味を持つようになりました。そしていつの頃からかファッションによって自分を表現し、成長することが出来ました。
今、ファッション業界は戦後最大の危機と言われています。しかし人類の歴史を振り返ると、このような深刻な状況だからこそ、人や環境のための創造性に満ちた新しいファッションが生み出されてきました。ときに意表を突く形で生み出されるファッションは常に日常における実験の連続であり、頼もしくも、愛おしくもあります。
創造性を生み出すには、個々が尊厳される生き生きとした鮮度ある環境が不可欠です。常に学び続け、流動的に変化し、時に予測不可能な状況の中で創り出す事も必要です。
どのような時代であろうとも、装うことの愛おしさを伝え、ファッションを通して社会に還元できるような創造性を育くむ事ができる学びの場所として、また世界へと活躍の幅を広げる事ができるがっこうを作って行きたいと思います。
山縣 良和